こうありたい仕事人生は・・・

 The Lost Generation Strikes Back(『ロスジェネの逆襲』)『下町ロケット』で直木賞を受賞した池井戸潤の最新刊です。お盆休みの1日、一気に読み終えました。池井戸潤の小説は読者を楽しませてくれます。そして主人公の半沢直樹は、いつも痛快ですね!この本の中で、半沢直樹はロスジェネ世代の森山にこうに言います。

 
 「世の中を儚み、文句をいったり腐してみたりする。でもそんなことは誰にだってできる。お前は知らないかも知れないが、いつの世にも、世の中に文句ばっかりいっている奴は大勢いるんだ。だけど、果たしてそれになんの意味がある。たとえばお前たちが虐げられた世代なら、どうすればそういう世代が二度と出てこないようになるか、その答えを探すべきなんじゃないか」。小説の中の半沢直樹は企業の理不尽な扱いに屈せず、筋を通す、力を尽くす、大事なものを守る。そうしたい、そうありたいと思っても現実には出来ないことを、スカッとやってくれます。 

 

 リストラの不安におびえながら同じ企業で働き続けることが幸せなのか。いったん退職して社会の変化に合わせて学び直し、自分をより生かせる仕事に就いた方が、企業にとっても自分自身にとってもプラスになる。東大大学院の柳川教授は、このように訴え、40歳定年を唱えています。この発案は、国の長期ビジョン「フロンティア構想」にも盛り込まれているようです。国も企業も模範解答のない難題に直面しているのが今の時代。多様な働き方、生き方を認める社会にしなければ、国も個人も強くなり、輝くことはできない、と。(日本経済新聞 旬の人 時の人、から引用)

 

 どんなに足掻いても、半沢直樹にはなれない。そうならば、サラリーマン人生、適当に生きていくしかないのでしょうか。社会環境の変化の速さ、特にIT技術の変化の速さに、これまでの仕事のやり方では業績を上げることができない。会社での居場所も狭くなる。さりとて、独立して自分に合った仕事で生計を立てる自身もない。このままリストラの不安とストレスを抱えながらも、定年までやり過ごす。8月6日の日本経済新聞は”起業は「老高若低」に”と、大きな見出しで、若年層の起業が減る反面、シニア世代の起業が活発になっていることを伝えています。これからますます長くなる仕事人生を考えると、40歳定年に乗っかり、シニア世代の起業を目指す・・・。これも、こうありたい仕事人生の一つの選択肢ではないでしょうか。サラリーマンの皆さん!