小さな赤いらいおんは、目指すべきITコーディネータ像・・・

 世界傑作絵本シリーズとして1965年にハンガリーから出版された本で、今もって多くの人に読まれている本があります。『ラチとらいおん』です。Amazonの書評には、<22世紀まで残る本>として、「 子供が絵本の世界にすっぽり入り込める年齢のうちに読んであげられて、本当に良かったと思います。私は大人になってから読みましたが、それでも心に響きました。もし子供に絵本を10冊しか読ませられない、というおかしな事態になったとしたら、私はこの本を入れると思います」。おすすめ度も 5つ星のうち 4.9と非常に高い評価の絵本です。
 

「ITコンサルとITコーディネータ(ITC)とは、どう違うのでしょうか?」今実施しているケース研修の受講生からの質問です。私がITCになったばかりのとき、私の師で中小企業診断士でありITCであったコンサルの方から、「この絵本に出てくる小さな赤いらいおんがコンサル像だよ」と、紹介された本が『ラチとらいおん』です。小さな赤いらいおんがコンサルのあるべき姿、この本を読むまで?でした。

 

 弱虫の子供ラチは、いつもライオンにように強くなりたいと願っていた。ある朝目覚めると、小さくて力の強い赤いらいおんがラチのベットそばにいて「僕が君を必ず強くしてあげる」と。強くなりたいと願うラチに対し、小さな赤いらいおんはラチのそばについているだけで、どのようにしたら強くなれるかを教えたりはしない。ラチは小さな赤いらいおんがそばについているだけで、しだいに自分の強さを自覚して強くなり、それを自信に変えていく。そして終には、誰にも頼らなくても、一人で生きる強い子供に成長していく。自立し強くなったラチの姿を見届けた小さな赤いらいおんは、「君はじゅうぶん強くなった。また何かあったら私のことを思い出してくれたまえ」と置手紙を残して去っていってしまう。

 

 ITコンサル、コンサル、ITC。それぞれ手法やアプローチが異なると言われていますが、時としてITCもITコンサルやコンサルの手法・アプローチを使ったりします。ではITCの役割はなんだろう?小さな赤いらいおんンをITCに置き換えれば、ITCの役割が見えてくるように思えます。企業体質が弱く、強くなりたいと願う中小企業の社長に寄り添い支えとなり、助言し、経営体質を強くしていく。企業にとって必要とされるITC、企業の成長とともに自分自身も成長していくITC、このようなITCを目指していきたいものです。