成長する人、しない人 経験からいかに学ぶか?

 人は年を重ねれば、成長するのだろうか。決してそうとうは言えません。人は年を取る過程の中で、辛かったこと、楽しかったこと、そしてその後の人生に影響を与えるほどショッキングなこと等、多くのことを経験してきます。私のことを振り返ってみても、様々なことがありました。そこには、「こと」だけでなく、ことに関連する「人」も必ず存在しています。しかし経験したことから学び、自分の血とし肉とし、どれだけ成長できたのだろうか。学んだことが、年相応に、人生をつつがなく生きる知恵だけだったら、少し寂しい気がします。

 

 経験から人はどのようにして学び、自分を成長させることが出来るのだろうか。このことを考えるキッカケは、先日ある方のFacebook投稿で紹介されていた『経験学習入門』(松尾睦著)です。挑戦的な目標に取り組み、自分の仕事のあり方を振り返りながら、仕事の中に意義ややりがいを見つけるとき、人は経験から多くのことを学ぶことができます。「挑戦し、振り返り、楽しむ」という三要素を「ストレッチ、リフレクション、エンジョイメント」という言葉で表し、仕事に対する「思いやり」であり、他者との「つながり」です。経験からどのように学び成長するか、これが本著の結論です。

 

 本著には、「はじめ」に本書を読んでほしい方が書かれています。早く成長したいと焦っている若手社員。最近、成長が止まったと感じている中堅・ベテラン社員。後輩、部下の育成に悩むマネージャー。私はまだ現役で働いています。会社には中堅社員、若手社員がいます。特に若い社員には、多くの経験に学び成長して欲しいと願っています。しかし今、私自身にあてはめて、経験に学ぶ力を再認識しようと考えています。

 

 これまでの経験、経験で得た知識、これらに裏付けされた少しばかりの自信。まだ凝り固まってはいないが、私なりの持論とやり方、ノウハウ。そして人としての社会性。先日も仕事仲間と打ち合わせをしましたが、後で仲間から「・・・もう少し、能動的(アクティブ)に参加してほしいなと思います。・・・」とメールが送られてきました。人間、年取ると保守的になります。辛いことから逃げます。受身な姿勢になります。このメールで、私もはっと気づきました。反省しきりです。仕事だけでなく人生において、自分の成長が止まってきたな、と感じたとき再読し、自分を戒めたいと思っています。いつまでも、わずかでもいい、成長の兆しを感じることが出来るように。