雨奇晴好

 「晴耕雨読」は知っています。しかし、「雨奇晴好(うきせいこう)」は?でした。今日、金沢のデパート「大和」で中野純さんの陶芸展を見てきました。展示されていた陶板に書かれていた4文字が「晴耕雨読」。晴れても雨でも、それぞれによい景色で、趣のあること、という意味です。中野さんも大好きな言葉だそうです。

 
 灰を釉薬の原料とした独特の色合いの作品を制作する陶芸家 中野純さん。中野純さんのプロフイールを簡単に紹介しますと、物理学の父とピアニストの母の間に千葉県で生まれ、1996年東京大学文学部を卒業。大学1年時に出会った陶芸に魅せられ、現在まで陶芸を制作。私は直接的に中野さんを知っていたわけではありません。たまたま、昨日福井の知人から紹介されただけですが、会ってみると素敵な人でした。

 

 この「晴耕雨読」の出典は、中国の詩人 蘇軾(そふ)の「飲湖上初晴後雨」です。人生も同じこと。晴れる日もあれば降られる日もある。しかし、いずれの事象も全ては"一過性”、正に因果一如である。こんな風にも解釈される4文字言葉。なんとも品のある優しい色合いの中野純さんの作品に驚きながら、この4文字にもまた、まだまだ未熟な私のこれからの生き方に、素晴らしい言葉をいただいた思いです。